殺菌の意味は「菌を殺す」
「殺菌」は、その名前の通り「細菌（特に病原菌）を死滅させる」といった意味合いがあります。殺菌の標的となる菌の部類や殺菌する量にまでは定まりがなく、全ての菌が死滅しておらず多少の菌が生き残っていたとしても、死滅した菌がある以上は殺菌したことに別条はないため、商品表示などで「殺菌」と記載することができます。
この表示方法は医薬品や医療機器等の品質・有効性及び安全性の確保等に関する法律（薬機法）に則り医薬品または医薬部外品に限り承認されています。
よく勘違いされますが、医療用途ではなく、清潔にすることを目的としたアルコールスプレーや洗剤・漂白剤などの一般的な消耗品は医薬品や医薬部外品に相当しません。
殺菌効果のある商品の容器には「全ての菌に効果的というわけではありません」というような注意書きが記載されているでしょう。
除菌の意味は「菌を取り除く」
また、「除菌」は「菌やウイルスを取り除き、その数を減らす」といった意味合いがあります。例えば、菌が付着している自分の手を石鹸で洗うことで数を減らして菌の増殖を抑え、清潔にするような印象です。殺菌と同じで、除菌する菌の部類や除菌する量には条件がありません。
除菌の境界線は不明瞭なことがほとんどで、消費者が商品表示から受ける印象や期待感と実際の効果との差に誤認が生じる恐れがあるため、業界により除菌表示に関連した統一基準が取り決められています。
洗剤・石けん公正取引協議会（JSDA）では除菌効果が一定の基準を満たしている場合は「除菌」の表示を認めており、「除菌」の表示をすることによって消費者が適切な商品選択が可能になることを目的としています。
除菌が殺菌と異なる点は、医薬品や医薬部外品に該当しない消耗品や電化製品が殺菌効果を持っていたとしても「除菌」と顕示されます。
除菌表示のほか、「すべての菌を除菌するわけではありません」といった注意文言を付けることが推奨されています。
抗菌の意味は「菌の増殖を抑える」
最後に、「抗菌」は「菌の増殖を抑える」というような意味合いがあります。直接的に菌を殺したり取り除いたりするのではなく、菌が住みにくい環境をつくることを目的としています。
一見、「抗菌」といえば菌を全く近寄らせない効果があるように感じますが、あくまでも「菌の増殖を抑える」効果のあるものを指しています。
また、殺菌や除菌では菌の部類や殺菌・除菌する量に決まりはありませんでしたが、抗菌の場合はその対象に決まりがあり、ウイルスやカビ・黒ずみ・ヌメリは経済産業省の定義により対象外とされています。カビの増殖を防ぐ効果のあるものは「防カビ（抗カビ）」と称されています。
抗菌は、日本産業規格（JIS）によれば「製品の表面における細菌の増殖を抑制する状態」と定義されており、加工されていない製品の表面と比べた際に最近の数が100分の1以下である場合はその製品に抗菌効果があると規定されており、この基準を満たしていれば「抗菌」の表示をすることが可能となっております。
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