細菌の増殖を抑える抗菌グッズ! その仕組みとは
電車やバスの釣り革など、毎日たくさんの人の手が触れるものには、よく「抗菌」というラベルが貼られていますよね。
実際、どういう仕組みで細菌から守ってくれているのか、さっそく見ていきましょう。
1.抗菌とは、菌を殺すことではない
抗菌製品は、その表面や内部に、細菌の増殖を抑える薬剤を塗布しています。
たとえば製品の表面に細菌がついても、薬剤のおかげで菌が活動したり増殖したりすることができないのです。
これを「不活性化」と言いますが、一方で抗菌製品には、細菌を死滅させたり除去する効果はありません。
あくまでも、菌を不活性化させ、増殖を抑える効果になります。
2.抗菌剤に使われている成分
抗菌剤の成分にはいくつかあり、ひとつは、銀や銅、チタンなどの金属イオンです。
最も広く使われているのが銀で、銀の分子をプラスとマイナスに電離させてイオン化したイオナイズドシルバーになります。
イオン化した銀は、空気や水が含む酸素と反応。
表面にうすい活性酸素の膜をつくります。
菌は、この膜に触れると細胞の表面が破壊されてしまうので、活動や増殖がしにくくなるというわけです。
銅にも銀と同じ性質があります。
一方チタンは、酸化させると光触媒作用で菌を吸着させ、分解する性質を応用しています。
抗菌剤にはほかに、天然抽出系抗菌剤や、有機系・芳香族化合物抗菌剤などがありますが、主流は銀イオンのイオナイズドシルバーと言ってもよいでしょう。
3.抗菌だからと過信してはいけない
抗菌処理された製品だから安全、と過信しすぎるのはよくありません。
たとえば、抗菌製品は、製品の表面に接触した菌を不活性化できるだけなので、製品の近くにはあっても、表面には触れていない菌にまでは効果がありません。
また、せっかく抗菌処理がされていても、製品の表面に汚れや油分が付着してしまっていると、菌は直接抗菌剤には接触せずに済んでしまいますから、効果を発揮することができなくなってしまいます。
つまり、抗菌処理がなされていても、定期的に洗ったり汚れを拭き取るなどのメンテナンスが必要ということですね。
なお、抗菌効果は永遠ではありません。
触ったりこすれたりして抗菌剤が摩耗していくこともあるためです。
あくまでも目安ですが、キッチン用品や風呂桶などのような水回り用品なら、数年ごとに買い替えた方がよいでしょう。
まとめ